2020年の初頭頃にArchissの省スペースキーボードMaestro2sを購入しました。
ただ、しっくりこないところがあり、2週間で手放してしまいました。
自分がネックに感じた部分を書くので購入を検討している方は参考にしてください。

出所:アーキサイト社HP
追記:
この記事を執筆してからテンキーレスモデルのMaestro TKLも使いましたが、同様に金属反響音がしました。記事で書いているMaestro2Sより音は小さめだったものの、軸が静音赤軸だったのやはり相応に気になりました。他所のレビューでMaestroは底部を金属プレートで補強してあるのでコワンコワン言いやすいという記述があったので、Maestro2S, Maestro FL, MaestroTKL共通なのかもしれません。

Maestro2sとは
本機は、2019年に発売されたアーキサイト社のARCHISSブランドのメカニカルキーボードです。
CherryMXスイッチを使用したもので、メジャーな赤軸、黒軸、青軸、茶軸に加えて、静音赤軸(ピンク軸)、クリア軸、スピードシルバー軸といった珍しい軸が使われた製品もラインナップされています。
自分が購入したのは茶軸です。購入検討時の価格や評判を見ると静音赤軸が人気のようでした。
見ての通り、アルファベット部分とテンキー部分の間を詰めることで、テンキー付きでありながらフットプリント(接地面積)を狭くしてあります。
テンキーによる数字入力の利便性と省スペースを両立させることを画期的な商品です。
テンキーレスキーボード並のフットプリントなので、手をホームポジションの状態からマウスまで移動させやすいというメリットもあります。
ただし、その代償として一般的なフルサイズキーボードとは変わった変則配列を受け入れる必要があります。
変則配列の注意点
Maestro2sの変則配列で気にすべきはポイントは3点だと考えます。
以下の、フルサイズキーボードと並べた写真を見ながら読んでください。

右側のCtrlとShift
矢印キーを詰めるために、右側のCtrlが削られ、右側のShiftが小さくなっています。
自分はこの2つは全く使用しないため問題ありませんでしたが、使う方は要注意です。
左利きの方でCtrlとShiftは基本的に右側を使っているという方の話を聞いたことがあります。
テンキーの0の大きさ
矢印キーを狭めるために、テンキーの0が小さくなっています。
テンキーで数字を入力する時に、0を2の下で打鍵している場合はそれほど違和感がないと思いますが、1の下で打鍵していると誤入力につながります。
通常意識しない点ですが、自分がテンキーの0をどちらで打っているか購入前に確認すべきです。
Deleteが右上にある
フルサイズキーボードでは矢印キーの上にある、Delete、Insert、Page UP、Page Downが、本機ではテンキーの上に配置されています。
DeleteはWindowsユーザーであれば必須のキーであり、PageUP/Downもエクセルのシートの移動やブラウザのタブ切り替えで多用するキーです。
(ただし、Insertは本当に不要なので滅すべき。)
自分は、ここが駄目でした。打鍵ミスではないのですが、慣れた位置に無いため作業がよく止まってしまいました。
特に、Deleteの位置を無意識にEnterの右と認識してしまっているため、戸惑いました。
打ち方によっては金属反響音も
個体差があるかもしれませんが、本機は自分の打ち方だと金属反響音がありました。
金属反響音というのは、キー打鍵時にキーボード底面の補強用金属板に衝撃が伝わり、カーンという耳障りな金属音が出てしまうことです。
「メカニカルキーボード 音 うるさい」で検索すると青軸等のクリック音に関する記事が上位にヒットしますが、この金属反響音に悩んでいる人も昔から多くいます。
Amazonのレビューでも、本機について金属反響音が気になるという方がいました。
自分は店頭で実機打鍵した後に購入したのですが、店舗で試用した際にはこの金属反響音に気づくことが出来ませんでした。
おそらく、個体差と使用環境(デスクの材質、設置場所の音の響きやすさ等)も金属反響音に影響するのではないかと考えます。
非常に気に入った製品であれば静音化リングや裏面にクッション材を貼るといった対応も検討するのですが、上で書いたDeleteの配置の問題もあり、自分は使うのを諦める方向に傾きました。
自分は昔ながらの底打ちタイプなのでメカニカルキーボードとはそもそも相性が悪いです。
ただ、過去に3年ほど使っていた同じArchissブランドのProgreTouchRetroというCherryMXのメカニカルキーボードでは金属反響音が気になったことはありませんでした。
変則配列と金属反響音よく考えて
以上です。
購入検討にあたっては、自分の打ち方を確認し上記の変則配列に慣れられそうか考えることをおすすめします。
省スペースかつテンキー付きという唯一無二の製品なので、コンセプトが気に入れば慣れるように努力する価値はあると思います。
自分は「支給された軍服のサイズに体型を合わせるのだ!」的な考え方も好きです。
変わらないことの心地よさに拘泥してしまうと、変化ができなくなります。
ただ、自分のように底打ちするタイプで、過去にメカニカルキーボードの金属反響音に悩んだことがある人にはおすすめしません。


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